腹腔内組立式タバコ縫合器
特許出願: 手術機器械の組立方法及びその組立方法に用いる医具 特開 2007-083022

 ロボット・メカトロニクス工学の医療分野への貢献が期待されています. 医療現場のニーズと問題点を的確に把握することが重要であり, 東京医科歯科大学と連携して研究を推進しています.

 腹腔鏡下手術では,腹に直径5〜10mm程度の切開穴(ポート)を数箇所に開け, 棒状の鉗子等の手術機器を挿入し手術を行います. この程度の小さな穴は術後容易に塞がるため,患者への負担軽減という点では優れています. しかし,小さな穴から入る手術機器しか利用できません. そこで,器械を一旦小さい部品に分解してポートから挿入し, 腹腔内で再び組立てるという斬新な方法を提案しています.

 図1に示すタバコ縫合(別名,巾着縫合)がその適用例です. 胃全摘手術や噴門側切除手術では,切除後に食道と腸または残胃を吻合します. そのための前処置として食道のタバコ縫合をしますが, 開腹用のタバコ縫合器は図2のようにT型形状をしており,ポートから挿入できません. 現状ではこれが挿入できる程度に切開する必要があります. ポートから挿入できれば,患者への侵襲が少なくてすみ,また気腹を保ち視野を確保して縫合ができます. 安全性の観点からもきわめて望ましいことです.
巾着縫合
Fig. 1 タバコ縫合

タバコ縫合器
Fig. 2 タバコ縫合器

 そこで図3のように,二つの鉗子を用いて腹腔内で連結し,組み立てることを提案しました. 開腹の場合と同様に,噛み直しができ,力強く噛み合えることが縫合不全を防ぐために重要であり, そのような機構を考案しています.
腹腔内組立式タバコ縫合器
Fig.3 <動画>タバコ縫合器の着脱(6.9MB Mpeg1使用)

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