単層培養細胞を対象としたペプチド探索デバイス

がんは転移をするため全身にがん細胞が存在し,適用範囲が全身である化学療法が頻繁に用いられている. しかし, 化学療法は副作用が重篤であり,副作用を低減するためにがんに特異的に結合するペプチドを探索する研究が行われている.この探索において候補となるペプチドはアミノ酸の組み合わせの数(20N種類)も存在するため, 高速で高効率なスクリーニング手法が必要となる.
そこで, 我々は, 腫瘍特異的結合ペプチドのスクリーニングにおける操作を, マイクロ流体デバイスを用いて自動化し, スクリーニングの効率および再現性を向上させるマイクロ流路デバイスを開発した(図1). マイクロ流路内は液の流れが層流になるためがん細胞を均一に播種する技術(図2),ペプチド探索の全ての工程を自動で切り替えるために必要なバルブ技術(図3),腫瘍特異的結合ペプチド以外のペプチドを除去するための細胞を用いたトラップチャンバ(図4)を開発した.トラップチャンバの性能評価のために,蛍光標識抗体をモデルとして除去実験を行った.
図1 単層培養細胞を対象としたペプチド探索デバイス
図1 単層培養細胞を対象としたペプチド探索デバイス
図2 マイクロピラーによる細胞分散
図2 マイクロピラーによる細胞分散
図3 高さのある流路を制御する空気圧バルブ
図3 高さのある流路を制御する空気圧バルブ
図4 細胞を用いた蛍光標識抗体の除去
図4 細胞を用いた蛍光標識抗体の除去

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