液滴の受動制御マイクロ流路デバイス

皮膚からの薬物の吸収特性を調べるために,マイクロダイアリシス法*が用いられている.しかし,分析には液量が必要なことと微小液滴の操作が困難であることから時間分解能が数分と悪い.そのため,皮膚を透過した薬剤濃度を詳細に調べることができない.そこで,微小液滴を自動的に生成し,さらにそれらを自動的に格納することが必要である.
我々はT字マイクロ流路(図1)を用いて液体を分割して液滴を自動的に生成した(図2).さらに、疎水性マイクロ流路の流路形状を工夫することで流路を通過するのに必要となる圧力障壁を変化させ,自動で液滴を振り分け格納するマイクロ流体デバイスを開発した(図3,4).

* 半透膜チューブを皮膚下などに埋没し,皮膚上に塗った薬剤が該当箇所まで浸透してくるのを半透膜内を流れる液体で回収し,その液体を計測することで液体内の薬剤濃度を調べる手法。

図1 液滴自動形成マイクロ流体デバイス
図1 液滴自動形成マイクロ流体デバイス
図2 液滴の自動形成
図2 液滴の自動形成
図3 液滴自動格納マイクロ流体デバイス
図3 液滴自動格納マイクロ流体デバイス
図4 液滴の自動格納
図4 液滴の自動格納

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