マイクロ流路デバイスを用いた高遊走がん細胞の捕獲

 がんの治療が難しい原因の1つに,がん細胞の遊走能が亢進し,遠隔臓器に転移することが挙げられる.遊走能の亢進のメカニズムを調べるには、遊走能が亢進したがん細胞のDNAやたんぱく質を調べることが不可欠であり、そのようながん細胞を選択的に回収することが求められる.
 そこで、我々は遊走能の亢進した細胞だけを選択的に剥離・回収可能なマイクロ流路デバイスを開発した(図1).がん細胞を流路壁付近に播種し,遊走能が高いがん細胞は12時間以内に100 um離れた領域にたどり着く(図2)。そのようながん細胞に対し,足元に配置したバルーンを膨張させるすることで,がん細胞の足場を伸長し,剥離回収を実現した.

図1 遊走能が亢進したがん細胞の選択剥離マイクロ流路デバイス
図1 遊走能が亢進したがん細胞の選択剥離マイクロ流路デバイス
図2 高遊走能を持つがん細胞の選択
図2 高遊走能を持つがん細胞の選択

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